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思い出を「資源」に変え、人生に深みを出す3つの思考法

すべて
  1. なぜ、「人生に深みがない」と虚しくなるのか?
    1. 経験不足のせいじゃない。人生の深みを決める「たった一つ」の考え方
    2. 【心理学】楽しかった思い出ほど、今の自分を色褪せさせる脳の仕組み
  2. 思考法⓪ まずは準備運動。あなたの「心の現在地」を知る方法
    1. 無理にポジティブにならなくていい。辛い思い出との「安全な距離」のとり方
    2. 【5分でできる】忙しいあなたのための「感情ジャーナル」入門
    3. 思考法① 過去を”再解釈”する技術|すべての思い出を人生の「土台」に変える
    4. 「あの失敗があったから…」辛い記憶を「学び」に変える3つの質問
    5. あなたの人生は壮大な作品。嫌な思い出が「深み」を生むコントラスト理論
  3. 思考法② 現在を”深く味わう”習慣|日常に隠された「宝物」の見つけ方
    1. 【移動中でもOK】五感で思い出の「解像度」を上げ、心を元気にする方法
    2. 感情に名前をつけるだけ。自分の本当の願いがわかる「心の指針」
  4. 思考法③ 未来を”デザイン”する力|これからの「最高の思い出」を創っていく
    1. 【ワークシート付】最高の思い出から「あなたの価値観」という宝物を掘り出す
    2. 「未来の思い出」から逆算しよう。今日からできる”ベイビーステップ”の見つけ方
    3. 専門家が断言!あなたの人生がもっと豊かになる「成長マインドセット」の育て方
  5. あなたの物語の、次のページをめくろう

なぜ、「人生に深みがない」と虚しくなるのか?

ふと「私の人生、このままでいいのかな…」なんて、虚しくなることはありませんか?

大丈夫ですよ。

難しい心理学や、特別な才能は一切いりません。

この記事では、

辛かった過去を「学び」に、何気ない日常を「宝物」に変え、そして未来をあなた自身でデザインしていくための、具体的な3つの思考法を、誰にでもできる簡単なワークと共にご紹介します。

読み終える頃には、自分の毎日が、昨日より少しだけいいものに感じられるはずです。

それでは少しずつ見ていきましょう。

経験不足のせいじゃない。人生の深みを決める「たった一つ」の考え方

まず、あなたに一番にお伝えしたい大切なことがあります。

人生の深みというものは、海外に行った回数や、特別なイベントに参加した数といった、

経験の「量」だけで決まるのではない、ということ。

道端に咲いている小さな花にふと心をとめて、その美しさに感動できるかどうか。

私は、人生の豊かさとは、そういった日々の出来事をどう感じ、どう味わうかという「考え方」「捉え方」で決まると思うんです。

SNSを開けば、きらきらとした友人の投稿が目に入ってきて、「それに比べて私の毎日は…」と、気持ちが沈んでしまうこと、ありますよね。

 

でも、本当にそうでしょうか。

 

人生を一杯のコーヒーに例えてみましょう。

どんなに高価で珍しい豆(特別な経験)を使っていても、淹れ方(考え方)が雑であれば、その味わいは半減してしまいます。

逆に、いつも飲んでいる普段の豆(日常の経験)であっても、一杯一杯、心を込めて丁寧に淹れてあげれば、はっとするほど香り高く、格別な一杯になります。

 

あなたの人生も、それと全く同じなのです。

 

今のあなたに、何かが足りないわけではありません。

必要なのは、日常の中にすでに存在している豊かさや彩りに気づくための、ほんの少しの「視点の転換」だけ。

これから、その具体的な方法を一緒に見ていきましょう。

【心理学】楽しかった思い出ほど、今の自分を色褪せさせる脳の仕組み

「昔はあんなに楽しかったのに…」

「あの頃は輝いていたな…」

過去の思い出が輝いて見えるほど、今の自分がなんだかちっぽけで、色褪せて感じてしまう…。

そんな切ない気持ちになるのも、無理はありません。

でも、そう感じてしまうのは、あなたの心が弱いからでは決してないのです。

実は、私たちの「脳の仕組み」に、ちょっとした愛らしいクセがあるから、なんですよ。

ノーベル経済学賞を受賞した心理学者、ダニエル・カーネマンらが提唱した「ピーク・エンドの法則」というものがあります。

これは、

「人はある出来事を振り返る時、全体の平均点で評価するのではなく、感情が最も高ぶった瞬間(ピーク)と、その物事の終わり方(エンド)の印象だけで、全体の良し悪しを決めてしまう」

という心の傾向のことです。

なんだか少し難しく聞こえますか?

大丈夫です。

私はこれを、私たちの脳に備わっている「思い出のハイライト再生機能」のようなものだと考えています。

例えば、大変なこともたくさんあったはずの学生時代の思い出が、なぜか文化祭でみんなで笑い合った一番楽しかったシーン(ピーク)ばかりが鮮明に思い出されたり。

疲労困憊だった旅行の記憶が、山頂で見た息をのむような絶景(ピーク)の場面ばかりが、何度も心の中で再生されたり。

まるで、優秀な編集マンが脳の中にいて、一番感動的なシーンだけを切り取って見せてくれているようなものです。

だから、今の穏やかな日常が、ハイライト再生された過去の思い出に比べて少し色褪せて見えてしまうのは、ある意味、仕方のないこと。

ごく自然な心の働きなのです。

まずは、「ああ、今、私の脳はハイライト再生をしてるんだな」と、その仕組みを知ることが大切。

それだけで、気持ちが少し楽になるはずです。

そして、この脳の仕組みを理解すれば、

これを逆手にとって、これからの人生で「最高の思い出」を意図的に創っていくことも可能になるんですよ。

【この章のポイント】

  • 人生の深みは、経験の「量」ではなく、日常をどう味わうかという「考え方」で決まる。

  • 過去が輝いて見えるのは、脳が一番良かった瞬間だけを切り取る「ピーク・エンドの法則」が働くため。

  • 虚しさの正体は、あなたのせいではなく、自然な心の仕組み。まずはそのことを知り、自分を責めないことから始めましょう。

思考法⓪ まずは準備運動。あなたの「心の現在地」を知る方法

本格的な思考法に入る前に、まずは少しだけ、準備運動をさせてください。

いきなり「考え方を変えよう!」と言われても、心が疲れている時には、それが少ししんどく感じてしまうこともありますからね。

ここでは、頑張らなくていい、むしろ「頑張らない」ための、大切な心の土台作りの方法をご紹介します。

焦らず、あなたのペースで進めていきましょう。

無理にポジティブにならなくていい。辛い思い出との「安全な距離」のとり方

辛い思い出や嫌な記憶を、無理やり「これは学びだ!」とポジティブに捉えようとすると、かえって自分の本当の気持ちを無視しているようで、もっと苦しくなってしまう…。

そんな経験はありませんか。

だから、あなたにまずお伝えしたいのは、

 

「何一つ、無理に変えようとしなくていい」ということです。

 

頑張らなくて、いいんです。

大切なのは、辛い感情とべったりくっついてしまうのではなく、そっと「安全な距離」をとる方法を知ること。

それだけで、心は驚くほど楽になりますよ。

「安全な距離」とは、どんな感覚かというと…

そうですね、例えば、外で激しい雨が降っている日に、あなたは暖かい部屋の中から、窓ガラス越しに「ああ、すごい雨だなあ」と、ただ静かにその様子を眺めている。

もしくはテレビ越しにその様子を見ているような感じ。

そんな感覚に近いです。

雨の中に飛び出して濡れるのではなく、自分は安全な場所にいることを確認しながら、心の状態を客観的に、静かに眺めてあげる。

 

悲しい、辛い、という「感情」と、「あなた自身」は、決してイコールではありません。

 

感情は、あなたという広い空を通り過ぎていく、一時的な雲のようなもの。

そう捉えるだけで、私たちは感情の渦に飲み込まれにくくなるのです。

本格的に心と向き合う前に、まずはこの「心の安全基地」を確保することが、何よりも大切な最初のステップです。

焦らないでくださいね。

まずは、ご自身の感情と、少しだけ距離をとることを意識することから、ゆっくり始めてみましょう。

(※ただし、もし過去の記憶が日常生活に支障をきたすほど辛い場合は、一人で抱え込まず、専門のカウンセラーや心療内科に相談することも、あなた自身を守るための、とても大切で勇気ある選択肢の一つですよ)

【5分でできる】忙しいあなたのための「感情ジャーナル」入門

「そうは言っても、毎日仕事や家事に追われて、じっくり自分と向き合う時間なんて、とてもじゃないけどないんです…」

でも、大丈夫です。

1日たった5分、できれば寝る前の時間だけで始められる、本当に簡単な方法があります。

 

それが「感情ジャーナル」です。

 

なんだか難しそうに聞こえるかもしれませんが、全くそんなことはありません。

これは「入門」ですから。

感情ジャーナルの始め方  
用意するもの ノートとペン。(なければスマホのメモ帳でもOK)
やり方

① 今日、心が少しでも動いたことを3つだけ書く。

② 良い・悪いの判断はせず、ただ事実を書く。

③ 箇条書きでOK。うまく書こうと思わない。

具体的には、こんな感じです。

  • 朝、満員電車で少しイラっとした。

  • 同僚がくれたお菓子が、美味しくて嬉しかった。

  • 叶わなかった昔の夢を思い出して、少しだけ胸がチクっとした。

見ての通り、ポジティブなことも、ネガティブなことも、そのまま書くだけ。

感情に「良い」「悪い」のレッテルを貼らないことが、何よりのポイントです。

たったこれだけの簡単なワークですが、続けてみると、驚くほどの効果があるんですよ。

  • 頭の中のもやもやが、外に出てスッキリする。

  • 「私、こんなことでイラっとするんだな」「こんなことで嬉しくなるんだな」と、自分の感情のクセに優しく気づける。

  • 自分の「心の天気」を記録する、あなただけの、大切なカルテになる。

これは誰かに見せるものではありません。

あなただけの、秘密の心の記録。

うまく書こうなんて、思わなくて大丈夫。

まずは3日間だけ、騙されたと思って試してみませんか?

きっと、自分の心との付き合い方が、少しだけ上手になっていることに気づくはずです。

【この章のポイント】

  • 辛い感情は、無理にポジティブ転換しようとせず、まずは「安全な距離」をとって眺めてみる。

  • 感情と自分自身を切り離し、「感情は通り過ぎる雲のようなもの」と捉えると、気持ちが楽になる。

  • 1日5分、寝る前に「感情ジャーナル」で心の天気を記録する習慣が、自分を理解する第一歩になる。

思考法① 過去を”再解釈”する技術|すべての思い出を人生の「土台」に変える

心の準備運動、お疲れさまでした。

自分の感情と、少しだけ安全な距離をとれるようになった今、ここからは具体的な思考法へと進んでいきましょう。

最初のステップは、多くの人が囚われがちな「過去」との向き合い方です。

消してしまいたいような記憶も、思い出すだけで胸が痛む経験も、見方を変えれば、今のあなたを支える強固な「土台」へと変えることができるのです。

「あの失敗があったから…」辛い記憶を「学び」に変える3つの質問

思い出すだけで、顔から火が出るような恥ずかしい失敗。

「もし、あの時に戻れるなら…」

と、今でも時々考えてしまう後悔。

そんな、心のトゲのように、ずっとチクチクと痛み続ける記憶、誰にだって一つや二つはありますよね。

消してしまいたいと願う過去ほど、なぜか忘れられないものです。

 

でも、大丈夫。

過去の出来事そのものを、タイムマシンのように変えることはできません。

 

ですが、その出来事が持つ「意味」は、今のあなたが、いつでも新しく書き換えることができるのです。

 

そのために、あなたに贈りたい「3つの質問」があります。

もしよろしければ、少しだけ時間をとって、心の中でそっと答えてみてください。


【辛い記憶を「学び」に変える3つの質問】

  1. その経験から、あなたは一体何を学びましたか?

    (→失敗を「損失」ではなく「未来の自分への投資」と捉え直すための質問です)

  2. その経験のおかげで、少しでも強くなれたこと、優しくなれたことは何ですか?

    (→人の痛みがわかるようになったり、同じ失敗をしない慎重さを得られたり。あなたの内面的な成長に、優しく光を当てる質問です)

  3. もし今のあなたが、あの時の自分に会いに行けるとしたら、どんな言葉をかけてあげますか?

    (→「よく頑張ったね」「あなたのせいじゃないよ」と、過去の自分を客観的な視点から慰め、許し、抱きしめてあげる。自分への思いやりを育む、何より大切な質問です)


どうでしょうか。

例えば、過去の仕事の大きなミスを思い出して、この質問に答えてみると…。

 

「あの経験から、準備の大切さを骨の髄まで学んだな…」

「人の失敗に、前よりもずっと寛容になれた気がする」

「あの時の自分に会えるなら、『一人で抱え込まずに、周りを頼っていいんだよ』って、肩を叩いてあげたいな…」

 

ほら、こんな風に、ほんの少し視点を変えて質問をするだけで、あれほど辛かった記憶が、あなただけの「人生の教訓」という名の、かけがえのない資源に変わっていくのがわかるでしょうか。

あなたの人生は壮大な作品。嫌な思い出が「深み」を生むコントラスト理論

個々の出来事の捉え直しができたら、今度はカメラをぐっと引いて、あなたの人生全体を、一つの大きな作品として眺めてみませんか。

ここで、私がとても大切にしている考え方をご紹介させてください。

 

これは心理療法の一つ「ナラティブ・セラピー」の考え方を基に、私はこれを分かりやすく『コントラスト理論』と呼んでいます。

 

美しい絵画を思い浮かべてみてください。

明るい光の部分だけが描かれている絵よりも、深い影が描かれている絵の方が、光はより一層輝き、作品全体に奥行きや深みが生まれますよね。

人生という作品も、全く同じなのです。

喜びや成功といった「光」の部分だけでなく、

 

悲しみや苦しみ、失敗といった「影」の部分があるからこそ、あなたの人生は、人間的な温かみと、真似のできない深みを持つのです。

 

あなたの人生という作品において、あの辛かった出来事は、あなたに何を気づかせ、どう成長させるための「章」だったのでしょうか。

そう考えてみると、嫌な思い出は、もう消し去るべき「汚点」ではありません。

それらは、あなたの作品に、他の誰にも表現できない唯一無二の彩りと深みを与えてくれる、尊い一筆なのです。

【この章のポイント】

  • 過去の出来事は変えられないが、その「意味」はいつでも書き換えることができる。

  • 辛い記憶は「3つの魔法の質問」をすることで、「学び」や「優しさ」という資源に変わる。

  • 嫌な思い出は人生の「影」。それがあるからこそ、喜びという「光」が際立ち、あなたの人生の作品に深みが生まれる。

思考法② 現在を”深く味わう”習慣|日常に隠された「宝物」の見つけ方

過去の経験が、今の自分を支える土台に変わったところで、次のステップに進みましょう。

この章のテーマは、「現在」です。

 

「毎日が同じことの繰り返しで、何だかつまらない…」

 

その、心の底に沈んでいる根深い悩みに、直接アプローチしていきます。

特別なイベントがなくても大丈夫。あなたの日常の中に、すでに隠れている「宝物」に気づくための、具体的な技術をご紹介しますね。

【移動中でもOK】五感で思い出の「解像度」を上げ、心を元気にする方法

「過去の捉え方が変わっても、結局、今の毎日が色褪せて見えるんじゃ意味がないよ…」

もしあなたがそう感じていたとしても、全くその通りだと思います。

でも、大丈夫です。

特別なことを何一つしなくても、あなたの心の中にある「思い出」という宝箱を使って、今の気持ちを手軽に、そして瞬時に元気にする方法があるんですよ。

 

ここで、あなたに「思い出の解像度」という考え方をお伝えさせてください。

 

これは、アスリートのメンタルトレーニングでも活用されるイメージングの考え方を応用した、私が皆さんにお勧めしている心の習慣です。

楽しかった思い出を、ただ「あー、あの時楽しかったな」とぼんやり思い出すのは、私に言わせれば、画質の粗い古い写真を見ているようなもので、とてももったいないのです。

そうではなく、

 

あなたの「五感」をフルに使って、まるで最新の4K映像のように、その場面を鮮明に思い出す。

 

そうすることで、当時のポジティブな感情を、「今」この瞬間の心に再ダウンロードすることができるのです。

これが驚くほど簡単で、通勤中の電車の中や、家事の合間でもできてしまうんですよ。


【心を元気にする、思い出の再ダウンロード法】

少しだけ目を閉じて、あなたの人生で一番楽しかった、嬉しかった思い出の場面を思い浮かべてみてください。

そして、心の中でこう自問してみるのです。

  • 何が見えますか?

    (その時の空の色は? 周りの人の笑顔は?)

  • 何が聞こえますか?

    (どんな音楽が流れていた? 誰かの笑い声? それとも静かな風の音?)

  • どんな香りがしますか?

    (花の香り? それとも雨上がりの土の匂い?)

  • 肌で何を感じますか?

    (頬を撫でる風の心地よさ? 太陽の暖かさ?)


どうでしょうか。

こうして五感を使ってリアルに思い出すと、私たちの脳は、現実と鮮明なイメージの区別が少し苦手なので、

「今、ここで幸せを感じている」

と錯覚し、実際に心を穏やかにするホルモンが分泌される、と言われています。

心が少し疲れたな、と感じた時のお守りです。

あなたの心の中には、いつでもエネルギーを取り出せる、尽きることのない泉があることを、どうか忘れないでくださいね。

感情に名前をつけるだけ。自分の本当の願いがわかる「心の指針」

先ほどのワークで、心がふんわりと温かくなるような、何か良い感情が湧き上がってきませんでしたか。

その、じんわりと広がる「良い感情」

それこそが、あなたのこれからの人生の航路を照らす、羅針盤になる、何よりも大切な宝物なのです。

ここで、あなたにお願いしたい、たった一つのことがあります。

それは、ただ「嬉しかった」「楽しかった」で終わらせずに、その感情にもう少しだけ、具体的な名前(ラベル)を貼ってあげるということです。

 

「名前をつけるだけ?」

 

はい、それだけです。

でも、これが驚くほど重要なんですよ。

もし、自分の感情にぴったりな言葉が見つからなければ、下のリストを参考にしてみてください。


【あなたの「心の指針」を見つける感情リスト】

  • 心が通い合ったような「温かさ」

  • 何でもできる気がするような「高揚感」

  • 誰かの役に立てたという「誇らしさ」

  • すべてが満たされているような「安心感」

  • 穏やかで、静かでいられる「平穏」

  • 心が躍るような「ワクワク」


なぜ、この「感情のラベリング」が、それほどまでに重要なのでしょうか。

 

それは、あなたが強く惹かれる感情こそが、あなたが人生で本当に大切にしている「価値観」を、指し示してくれているからです。

 

例えば、あなたが「誇らしさ」という感情に強く心惹かれたのなら、それはあなたの価値観の核に「挑戦」「貢献」があるというサインです。

もし「安心感」があなたの心を満たしたのなら、「安定」「人との深い繋がり」が、あなたの幸福の源泉なのでしょう。

このように、ラベリングされた感情は、あなたが本当に求めているものを示す「心の指針」そのものなのです。

この「心の指針」さえはっきりと見えれば、もう人生の選択に迷うことは、ぐっと少なくなります。

なぜなら、これからは、この指針が示す感情を大切にして、もっともっと味わえるような道を選んでいけば、あなたの人生は自然と、あなたにとっての「本当の幸せ」で満たされていくのですから。

【この章のポイント】

  • 五感を使って過去の楽しい思い出を鮮明に思い出すと、今の心にエネルギーを再ダウンロードできる。

  • 良い感情が湧いたら、「温かさ」「誇らしさ」のように具体的な名前(ラベル)をつけてあげる。

  • 名前をつけた感情こそが、あなたの本当に大切なものを示す「心の指針」となり、未来の道しるべになる。

思考法③ 未来を”デザイン”する力|これからの「最高の思い出」を創っていく

さて、いよいよ最後のステップです。

過去は、あなたを支える「土台」に変わりました。

そして、現在地を知るための「心の指針」も、その手にしました。

この最終章では、その土台の上に立ち、指針を片手に、未来に目を向けていきましょう。

「将来への漠然とした不安」を、

「これから、どんな素敵な思い出を創っていこうか?」

という、具体的で、心躍るような計画へと変えていく。

そんな、人生で最もクリエイティブな時間をご一緒できればと思います。

【ワークシート付】最高の思い出から「あなたの価値観」という宝物を掘り出す

思考法②で、あなたの「心の指針」となる感情が見つかりましたね。

では、その大切な指針が、一体どこから来ているのか。

あなたの心の奥深くで、静かに輝いている「価値観」を、一緒に掘り出していきましょう。

難しく考える必要は全くありませんよ。

これからお見せする簡単なワークシートを、クイズに答えるような、遊び感覚で埋めてみてください。


【あなたの「価値観」発見ワークシート】

ノートの切れ端にでも、書き出してみてくださいね。

ステップ 質問 あなたの答えを書いてみよう
STEP 1 あなたの人生で、特に充実していた「最高の思い出」を3つ、教えてください。

1. 高校の文化祭 

2. 初めての一人旅 

3. 親友と夜通し語り明かしたこと

STEP 2 その時、あなたはどんな気持ちでしたか?(感情のラベルを貼ってみましょう)

1. 高揚感、達成感

2. 自由、ワクワク

3. 安心感、繋がり

STEP 3 (ここが一番大切です)なぜ、その気持ちになれたのだと思いますか?

1. 仲間と一つの目標に向かっていたから

2. 自分の力で未知の場所へ行けたから

3. 仮面を被らず、本音で話せたから

どうでしょうか。

STEP3で出てきた言葉…「仲間と一つの目標に」「自分の力で」「本音で話せる」。

それらを、もう少しだけ抽象的な言葉にしてみると、

「協働」

「挑戦」

「自立」

「信頼」

「深い繋がり」

といったキーワードが浮かび上がってきませんか。

それこそが、あなたが心の奥底で、人生で本当に大切にしていること。

あなただけの「価値観」という、かけがえのない宝物です。

あなたは、この価値観が満たされる時に、心の底から「生きていてよかった」と感じるのです。

さあ、あなたの宝物が見つかりましたね。

この人生の羅針盤があれば、もうこれからの航路に迷うことはありません。

次のセクションでは、この羅針盤を使って、未来への航海図を一緒に描いていきましょう。

「未来の思い出」から逆算しよう。今日からできる”ベイビーステップ”の見つけ方

「目標を立てましょう」と言うと、なんだか少し堅苦しくて、構えてしまいますよね。

そこで、こんな風に考えてみるのはどうでしょう。

 

「もし、一年後の今日、日記を読み返しているとしたら。どんな思い出が書き綴られていたら、『ああ、最高の一年だったな』と、心から思えるだろう?」

 

To-Doリストを作るのではありません。

 

未来の「感情的なゴール地点」を、まるで映画のワンシーンのように、先にありありと思い描いてしまうのです。

 

私はこれを「未来の思い出デザイン」と呼んでいます。

例えば、先ほどのワークで「貢献」や「繋がり」という価値観が見つかった人なら、

「一年後、地域のボランティア仲間たちと、何かを成し遂げた後の達成感に満ちた笑顔で、乾杯している」

…という、未来の思い出をデザインするわけです。

その理想の未来が描けたら、あとはそこから現在地に向かって、逆算していくだけ。

  • その「乾杯」を実現するために、半年後には何をしている?

    • (→活動の中心メンバーになっている)

  • では、3ヶ月後は?

    • (→活動に慣れ、新しい企画を提案している)

  • そのためには、来月までに何をすべき?

    • (→まずは月一回の定例会に参加し、顔と名前を覚えてもらう)

  • じゃあ、今週できることは?

    • (→地域のボランティア団体の情報を、ネットで検索してみる)

…どうでしょう。

「ボランティアで貢献したい」という漠然とした願いが、

「まずは情報を検索してみる」という、

今日、今からでもできる、ごくごく小さな一歩(ベイビーステップ)にまで、分解されました。

将来への漠然とした不安は、具体的な行動によってしか消えません。

どんなに小さな一歩でも、踏み出したその一歩は、確実にあなたの未来を変えていきます。

専門家が断言!あなたの人生がもっと豊かになる「成長マインドセット」の育て方

さて、ここまで、過去を再解釈し、現在を味わい、未来をデザインする方法を、一緒に歩んできました。

これら全てに共通する、たった一つの、最も強力な心のエンジンがあります。

最後に、それをご紹介させてください。

スタンフォード大学の著名な心理学者、キャロル・ドゥエックは、その著書『マインドセット「やればできる!」の研究』で、人の考え方を大きく二つに分けました。

 

一つは、「人の能力や知性は、生まれつき決まっていて変わらない」と考える

「硬直マインドセット」

もう一つは、「人の能力は、努力や経験次第で、いくらでも成長させられる」と考える

「成長マインドセット」です。

 

もしかしたら、「私の人生なんて、こんなものだ」と感じていた時のあなたは、無意識のうちに、この「硬直マインドセット」に少しだけ、囚われていたのかもしれません。

ですが、この記事をここまで真剣に読み、ご自身の過去・現在・未来と、ひたむきに向き合ってきたあなたは、もう違います。

 

あなたはすでに、自身の力で、素晴らしい「成長マインドセット」を育み始めているのです。

 

思い出を捉え直すことも、未来をデザインすることも、全ては「自分の人生は、自分の力で、もっと良くしていける」という信念の、何よりの証拠なのですから。

人生の深みとは、素晴らしい結果を出すことではありません。

たとえ失敗しても、「ここから何を学べるだろう?」と考え続け、一歩でも前に進もうとする、その「姿勢」そのものにこそ、宿るのです。

あなたの人生は、あなたの手で、これからも、どこまでも深く、豊かになっていきます。

【この章のポイント】

  • 「最高の思い出」を3つ振り返ることで、自分が本当に大切にしている「価値観」が見つかる。

  • 「一年後にどんな思い出ができていたいか?」という未来の感情から逆算すると、今日やるべき「ベイビーステップ」が見えてくる。

  • 人生は努力や経験で豊かになる、という「成長マインドセット」こそが、人生に深みを与える最強の心のエンジンである。

あなたの物語の、次のページをめくろう

この記事で紹介した3つの思考法。

  • 過去の再解釈
  • 現在の味わい
  • 未来のデザイン

辛かった過去は、あなたを強くするための「土台」であり、

何気ない日常には、心を潤す「宝物」が隠れていて、

そして、未来は不安に思うものではなく、あなたの手で「最高の思い出」をデザインしていくための、真っ白なキャンバスであることを。

人生の深みとは、特別な出来事の中にだけあるのではありませんでしたね。

過去のすべてを受け入れ、今の瞬間に感謝し、未来に希望を描く。

その、ひたむきな「姿勢」そのものが、あなたの人生を、他の誰にも真似のできない、尊い作品へと変えていくのです。

 

でも、どうか、完璧を目指さないでくださいね。

 

心が疲れている日には、思い出の解像度を上げるのを忘れてしまってもいい。

感情ジャーナルが、三日坊主になったって、全く問題ありません。

大切なのは、「まあ、また明日から始めればいいや」と、何度でも自分に優しく微笑みかけてあげることです。

もしよろしければ、この記事を閉じた後、一番好きなお茶でも淹れて、今日一日の中で見つけた「小さな良かったこと」を、たった一つだけでいいので、心の中でそっと数えてみませんか。

「今日のコーヒーは、いつもより美味しく感じたな」

「帰り道に見た月が、綺麗だったな」

そんな、本当に些細なことでいいのです。

その小さなきらめきを拾い集める習慣が、あなたの毎日を、少しずつ、でも確実に、温かい光で満たしていくはずです。

あなたの物語が、たくさんの素敵な思い出で彩られ、豊かに、深く、紡がれていくことを、心の底から願っています。

あなたの人生に、幸多かれ。

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あなたの日常が、ほんの少しでも豊かになるお手伝いができれば、幸いです。

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